園が迷いがちな「別紙様式4別添1(賃金改善明細)」を最短で書く:前年度→当年度の算定・並び替え・定期昇給まで実務手順
最近は地域を限定せずお仕事が頂けているので、市町による申請書や報告書の様式の違いにも戸惑うことが減ったように思います。
誓約書を書けば書かなくてよい、とされていた別紙様式4別添1の賃金改善明細についての取り組みも積極的な市町もあり、おのずとお客様からはご相談の機会も増えている昨今です。
この書類の書き方は、というと
まず昨年度の給与計算の賃金台帳を引っ張り出しまして、支払賃金の総額を求めます。
並び順も今年度の職員の並び順に変えて、個人に係る扶養手当などを除いた集計を行って一旦書きます。
次に、処遇改善等加算の加算額を求め、その法定福利費も求めます。
施設独自に改善している額があれば、それも求めます。これは昨年度の実績報告には無い項目なのでそれを求めるための時間をそれなりに用意しておく必要があります。
次に、昨年度の実績報告で報告済みの残額をどの職員に対していくら払ったかを書きます。これも実績報告には無かった内容ですから実際の賃金台帳から読み取って(思い出して)書く必要があります。
後でわかるような給与項目で払っておかなかったら思い出すのは大変ですね。
それらを最初に求めた支払賃金の総額から引きます。人勧分も書いておきますが計算には影響しません。
次に、加算当年度。
これはまだ終わっていない今年の内容を予測して書きます。
職員の並び順が昨年度とは変わっていることに注意が必要です。退職したり新規入職者がいたりすれば給与システムが自動的に出した並び順はあてになりませんので新旧をそろえる必要があるわけです。面倒臭いですよ笑。
まず加算当年度の賃金見込み総額。個人に係る扶養手当等は除きます。
次に区分2の改善額。
従来の賃金改善要件分が基本給で支払われている施設では、ここに職員毎に改善見込み額を書く必要があります。この計算はまだ終わっていない今年度の年額を書くわけですから、当然予測の金額になりますがすでに支払っている分もあるので毎月同じならx12ということになりそうです。
この後についても同じなのですが、休職している職員や退職した職員はその職員が基準年度にも同様に休職していた、退職していたとして書くので、基準年度側はここで見直して書き直す必要があります。
この流れがあらかじめわかっていれば、あらかじめ基準年度側も最初からそう書いておけば良いです。…良いのですが、一旦別に明細をそろえておいて、並べて比較して休職している期間は削除するなどの処理が良いと思います。
手当ては毎月の改善額ですね。これでは足らない分は賞与で払うことになると思うのでこれもここに記載します。これが計画ってことですね。
区分3については従来の実績報告のように改善月数と任命する職名と合わせて改善見込み額を記載します。
どの給与項目で改善したかも新たに記載が必要です。
そして定期昇給相当額。
市町によっては今年度の本俸の年間総額と前年度の本俸の年間総額でよいとされているところもあるようです。
そう言ってもらえればまだ楽ですが、そうでなければ本俸の昇給に伴って上がる特殊業務手当や賞与の金額も算出して合計します。
一旦すべての給与を支払ったつもりで賃金台帳…賃金明細を各月に分けて賞与も含めて作成すると出来ます(苦笑)
そして、人件費の回転部分は10月の時点ではわからないので書けないので0。
前年度の残額を誰にいくら払ったかを書いて最初に書いた総額から引けば今年度の部分は完成です。
そのうえで、右下を見てください。
×
だったら絶望しながらもう一度すべてを見直す必要があります。
ありますが、一番下に架空の人物を作って架空の金額を入れてみると俯瞰して修正できます。
要するに左の前年度が右の当年度より低くなれば良いわけです。
どちらも最初に書いた賃金総額から他の項目を引いているので、それも頭の中で組み立てるとわかってきます。
真ん中あたりの一番下の〇も確認してください。
これは1/2以上を基本給・決まって毎月支払われる手当により改善していれば○になります。
これが×だったら、毎月の改善額を見直さないといけないです。
出来ましたか?
これを園さんが理解して書くのはどれぐらいの時間がかかるのでしょうか。
私たちは沢山の園さんを支援しているので理解して効率化するツールなども作っています。
そこまでする意味がありますからね。でも園さんがこの書き方を理解して書いていく苦労を考えると、ひと手間増えましたがこのわかりにくいブログを書いておこうと思った次第です。
私たちにご依頼頂ければ作成をご支援したうえに説明も致しますので、理解して進められる助けに必ずなるでしょう。そしてこの忙しい毎日でお客様が本来すべきお仕事に集中できることを願っております。
それが私たちのミッションです。
でも自分でしたい人のために、このブログがお役に立てば幸いです。
長文乱文失礼いたしました。
松永